第3回アンケート集計結果 – ページ2

情報入手について

質問4.ホームページを利用する際、目的のページを探したりデータのダウンロードが出来ていますか?(複数回答可)

選択肢 人数 割合(105人中)
A.特に問題は無い、または比較的容易に利用できている 51人 48.6%
B.検索に膨大な数がヒットするため、目的の情報がなかなか見つけられない 43人 41.0%
C.ホームページの内容が複雑過ぎて、目的のページ(または内容)になかなかたどり着けない 43人 41.0%
D.目的の情報(またはデータ)を、思うようにダウンロードできない 28人 26.7%
E.ホームページを利用しない 2人 1.9%

質問4の分析

この質問は回答AとB、C、Dは本来、相矛盾するものですが、Aとその他を複数選択している回答者が多く見られました。全般的に「特に問題はない」が、困る点も存在するということなのでしょうか。Bの「検索」とCの「ホームページが複雑すぎる」を挙げた人がともに40%を超え、検索してもたくさんのヒットしたページの中から選ぶのに苦労し、また、ホームページの最初からたくさんのリンクが並んでいて、いつになったら音声で目的の本文を読み上げてくれるのか、困っている人が多くいることがわかります。また、ダウンロードに困っている人も26%いるとの結果がでました。ホームページを利用していない人も2人いました。

質問5.ホームページやCDなどで提供されている、”PDFファイル”は利用できていますか?(複数回答可)

選択肢 人数 割合(105人中)
A.特に問題なく読めている。 21人 20.0%
B.拡大するため荒れて読みにくくなる。 4人 3.8%
C.レイアウトが崩れたり文章が繋がらないため内容が理解できない。 25人 23.8%
D.スクリーンリーダーが対応していないため読めない。 19人 18.1%
E.アクセシビリティの設定ができないので読めない。 24人 22.9%
F.画像のみで提供されているため利用できない。 38人 36.2%
G.全く利用していない。 17人 16.2%
H.その他 20人 19.0%

質問5の分析

PDFファイルについてはAの「特に問題なく読めている」と、BからFの問題点を指摘している人がいました。やはり、Aと問題点は相矛盾するのですが、全般的に「問題点はない」が、困る点も存在するということなのでしょうか。「特に問題なく読めている」との回答は20%ありましたが、C「レイアウトが崩れたり、文章がつながらない」とか、D「スクリーンリーダーが対応していない」、E「アクセシビリティの設定ができていない」など、スクリーンリーダーやアドビリーダーの読み上げ機能に対する不十分さを指摘する声も20%前後、ありました。また、F「画像のみで提供されているため、利用できない」との声も36%寄せられており、特にPDFファイルに改ざん防止のためのセキュリティがかけられ、スクリーンリーダーが全く読み上げないPDFファイルもたくさんあることが窺えます。あるいは、PDFファイル自体、スクリーンリーダーでは全く読めないと理解している視覚障害者も含まれているかもしれません。このあたりが、「全く利用していない」とする人が16%に上る原因かもしれません。

H「その他」の意見としては、アドビリーダーでテキスト化しているとか、全文コピーして読み上げさせているとか、基本的にテキスト化できる場合の応用を挙げているものが多かったのですが、PDFは読んでくれないという意見も挙げられていました。

質問6.紙に書かれた文書などを、パソコンなどでテキスト化(OCR)しても正しく認識されない場合、どのようにしていますか?(複数回答可)

選択肢 人数 割合(105人中)
A.特に必要としていない。 9人 8.6%
B.ほぼ認識されているため、特に困ることは無い。 8人 7.6%
C.認識される範囲で読んでいる。 53人 50.5%
D.使い方が分からない。 16人 15.2%
E.誰かに修正してもらう、または入力を依頼している。 13人 12.4%
F.その他 22人 20.0%

質問6の分析

回答者の50.5%はC「認識される範囲で読んでいる」として、OCRソフトの誤認識があっても認識された範囲内で使っている状況が浮き彫りになりました。B「ほぼ認識されている」との回答も7.6%あり、E「誰かに修正してもらって」いるのは12.4%にとどまりました。また、OCRソフトのD「使い方がわからない」という人も15.2%あり、購入したが使用法がわからないという人もいることがわかりました。

F「その他」としては、点字図書館に頼んで音訳、点訳してもらう、とか、他の人に見てもらう、OCRソフトを持っていない、OCRは手間がかかるので使っていないなどの意見がありました。OCRに対する信頼性を疑う意見も複数ありました。

質問7.紙などに書かれていて読めない文書を誰かに読んでもらう場合、誰に依頼しますか?(複数回答可)

選択肢 人数 割合(105人中)
A.依頼する人がいない。 7人 6.7%
B.家族や兄弟など、身内の人。 83人 79.0%
C.知人や近隣など、他人。 42人 40.0%
D.ヘルパー。 37人 35.2%
E.その他 11人 10.4%

質問7の分析

回答によると文書を読んでもらう相手は、B「身内の人」が最も多く、79.0%を占めていました。次いでC「知人や近隣」の人が40%、D「ヘルパー」が35.2%となっていました。さらに、A「依頼する人がいない」も6.7%と少ないながらもおられました。これらの回答から、明らかに読んでもらうためのサポートを必要としており、サポートしてくれる人は身近の人やヘルパーなどが多いことがわかります。さらに「身内」と「知人」の両方を回答した人が37人、「知人」と「ヘルパー」が18人、「ヘルパー」と「身内」が15人で、3つに回答した人も15人おられました。結局、「身内」、「知人」、「ヘルパー」のどれかを回答した人は98人に上り、「依頼する人がいない」はわずか7人でした。
 また、質問6との比較をすると、C「認識される範囲で読んでいる」と回答した人とB「ほぼ認識されているため、特に困ることは無い。」と回答した人をOCRを使いこなしている人とすると、そうした人の50%が身内や知人、ヘルパーの方に文書を読んでもらっていることがわかります。ただ、全体で「身内の人」に79.0%の人が読んでもらっているのに対し、OCRを使いこなしている人に限ると49.4%に割合が下がっていることから、多少、OCRによって身内の人への依存度が軽減されることがわかります。

E「その他」として図書館の対面朗読サービスを利用しているとか、仕事がらみのものに限り会社の同僚に読んでもらっている、などの回答がありました。

質問8.商品などの内容を販売店やメーカーに問い合わせた場合、納得できる対応が得られていますか?(複数回答可)

選択肢 人数 割合(105人中)
A.特に問い合わせを必要としない。 10人 9.5%
B.知りたいが問い合わせることは無い。 16人 15.2%
C.どこに問い合わせてよいか判らない。 8人 7.6%
D.問合せても納得できる対応がされない。 22人 21.0%
E.まあまあ納得できる対応がされている。 55人 52.4%
F.その他 7人 6.6%

質問8の分析

A「特に問い合わせを必要としない」が9.5%、B「知りたいが問い合わせることは無い」が15.2%、C「どこに問い合わせてよいか判らない」が7.6%、D「問合せても納得できる対応がされない」が21.0%、E「まあまあ納得できる対応がされている」が52.4%でした。BまたはCまたはDのどれかに回答し、問い合わせに不満を抱いている人が39.0%で、残り60%の人は「問い合わせる必要がない」か「納得できる対応がされている」と回答していました。

F「その他」の回答としては、「購買時に販売店に尋ねる」や「ヘルパーその他、詳しい人に尋ねる」という意見がありましたが、「思っていたものと違うものを買わされてしまう」とか「視覚障害者の状況を理解してもらえない」といった不満も記載されていました。

質問9.表示・再生などをするための下記の機器はお持ちですか?(複数回答可)

選択肢 人数 割合(105人中)
A.パソコン(ネットブックなどを含む) 99人 94.3%
B.スクリーンリーダー 88人 83.8%
C.点字ディスプレイ 20人 19.0%
D.デイジー再生機器 80人 76.2%
E.SPコード再生機器(スピーチオなど) 23人 21.9%
F.携帯電話(音声出力型) 80人 76.2%
G.その他 6人 5.7%

質問9の分析

回答者全体の94.3%がパソコンを所持していると回答されていましたが、これは先に述べたようにアンケートの方法がメールでしたので、予想されることです。また、83.8%の人は「スクリーンリーダー」ソフトを所持しており、「パソコン」は所持しているが「スクリーンリーダー」は所持していない人は12人でした。また、C「点字ディスプレイ」を所持している人は20人(19.0%)で、全員がパソコンを所持していました。D「デイジー再生機器」を所持している人は80人(76.2%)おられ、そのうち、パソコンを所持していない人は3人だけでした。デイジー利用者の多くはパソコン利用者でもあることがわかります。E「SPコード再生機器(スピーチオ)」を所持している人は21.9%でした。携帯電話は80人(76.2%)の人が所持しており、そのうち「パソコン」を所持していない人は3人だけでした。やはり、「携帯電話」利用者の多くが「パソコン」利用者であることがわかります。「パソコン」「スクリーンリーダー」「携帯電話」の3つとも所有している人も73人おり、回答者の約7割を占めました。

G「その他」として、音声読書装置やICレコーダを挙げた意見もありました。

アンケート結果は、トップと、質問1から質問14(ページ1からページ4)、まとめのページがあります。
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